優秀部門賞

アイテム部門

土木偉人かるた
< 土木学会誌編集委員会・土木広報センター土木リテラシー促進グループ >(東京都)



「土木広報大賞2019」応募用紙(土木偉人かるた)


【選考委員コメント】

この作品は、日本のインフラ整備に貢献された古今東西の偉人をかるたというゲームにしたものですが、特に2つの点で非常に素晴らしいと思いました。
1つ目は、かるたという「遊び」と「広報」をうまく結びつけた点です。かるたは子供がメインターゲットだと思いますが、子どもを対象にした広報では、「楽しさ」が非常に重要な要素となるからです。
2つ目は、「誰もが知っているような歴史上の有名人が、実は優れた土木プランナーであった」という視点で紹介している点です。例えば、空海や行基などのお坊さんは、仏教を普及したという点ではとても有名ですが、実は満濃池や狭山池のような、後のダムのもととなるインフラの建設を指揮していたということはあまり知られておりません。また、徳川家康、武田信玄、豊臣秀吉などは、戦国武将としては有名ですが、実は国を治めるため、基盤となるインフラ整備に力を入れておりました。このように、歴史上の人物の知られていない土木プランナーとしての一面をかるたで子ども達に広報していくのは、とても素晴らしいことだと思います。
実は、私自身、昨年、このかるたを使ったかるた大会に参加した経験があります。前の晩に必死で全部覚えて参加したのですが、かるたを取るとなると、瞬発力がものをいって、1枚も札を取れないという悔しい思いをしました。機会があれば、ぜひまた敗者復活をしたいと思います。
こうした作品(かるた)を制作されたこと自体が素晴らしいのはもちろんのこと、広報効果を上げるうえでさらに重要なのは、このかるたが使われ続けていくということです。これからも普及に努めていただければと思います。

三上 美絵 氏(スポータ フリーライター)土木広報戦略会議 委員


【その他のコメント】

  • 誰もが利用できる広報ツールとして魅力があり、活躍のシーンが今後も多数考えられる。専門家の編集によるクオリティの高さから、子どもたちには将来の業界や職業への興味にも繋がると思います。
  • 大人も子供も参加でき、遊びながら楽しく様々な土木事業や近代の偉人の功績を学べるユニークなアイテム
  • 近代社会への貢献者・土木業界の偉人について、受動的に教育するのではなく、カードゲームというツールやわかりやすいイラスト・図版で興味喚起ができ、若年層の好奇心にも訴求できている。
  • 楽しく遊びながら土木の歴史的役割や価値を知る・学ぶツールとしての土木偉人かるたは、能動的に土木史について学ぶことができ、広報の範囲を大人から子供まで広げている。
  • 偉人一人ひとりに対する考察やまなざしに、深い尊敬と愛情を感じました。うちの娘もこのかるたで遊んでいます。
  • 「かるた」という遊びを通して土木偉人を学び、その人物を通してインフラへの興味を惹起するという狙いが秀逸。子どもをターゲットとした広報活動で最も重要な「楽しさ」が盛り込まれている点が素晴らしい。実際にこのかるたで遊んだことがあるが、参加した大人たちも夢中になっていた。